僕は世界を敵に回せるだろうか
荒む心を抉った牙は既に折れて
僕は人を恐れ 人は僕を拒む この溝は深まるばかり
僕は知った
――僕は胎児のままで良い と
産まれてこなければ なんて贅沢な事は言わないから
僕は自分を押し殺せるだろうか
暴れる心を宥める腕も既に枯れて
僕でさえも騙し 僕を嘘で固め その嘘は本当になって
僕は気付く
――僕は孤独のままで良い と
都合の良い人を演じて僕は僕を見失う
――僕は獣のままで良い と
優しさを知ってしまった僕はどうすれば良いんだ
何時まで 僕は此の侭 弱さを盾に?
脆い箱には何もなくて 僕は嘆き そして言った
――僕は化石のままで良い と
見付からなければ屹度 平穏なまま眠れたのに
――僕は胎児のままで良い と
居場所も名前も捨てた 僕は何処で泣けばいいんだ