遠吠え

愛する怖さを知る事のない獣は
涙を流す事を知らない
小さな過ちですら認められないまま
独り寂しく遠吠えを放つ

重要な事ですら投げ出した僕は
劣化した思考に未だ頼っている

僕は泣いた
自分の卑屈さに気付いて
それでも止められない言動に
僕自身 何処か諦めて

僕は泣いた
愛する怖さに気付いて
今すぐ此処から逃げ出したいのに

強さや優しさを勘違いした獣は
涙の力を間違う
大きな思いですら圧し殺したまま
独り悲しく牙を立てる

軽率な言葉ばかり押し付けた僕は
臨終した誹謗に未だ傾いている

僕は泣いた
自分の立場に気付いて
それでも止まらない思想に
僕自身 認めようとして

僕は逃げた
涙の出ない痛みに気付いて
誰かに縋りたい弱い心

僕は橋を渡れる人ではなかった
呆けたまま世界を移ろう
小さな箱が鳴いている

僕は逃げた
愛する言葉に怯えて
それでも流れない涙に
僕自身何処か諦めて

僕は泣いた
愛する怖さに気付いて
今更何処にも逃げ出せないのに