羽音

聴こえない羽音を掴んで染めた掌に集めた言葉で
空に浮かべた黒い箱に背けたい過去を詰め込んで

視界に入るこの世界で戸惑いと慣れを繰り返して
無理数の最期の数字に躊躇いに似た風を纏う

孤独だと云う叫びは
誰にも聴こえない 届く事もない
気付いている
でも怖くて偽りを生み出し震えている
この部屋で

使えない体を抉って染めた屍に集めた祈りで
海に沈めた白い箱に見捨てた未来を詰め込んで

視界に映るこの世界で弔いと飽きを繰り返して
倖せの最期の頁に獣に似た姿を糺す

生きていると云う本能は
誰にも触れられない 伝わる事もない
気付いている
でも痛くて心さえ閉じ込めて震えている
この場所で

知らない音が僕の背をゆっくり押し出す幻
命を削る行為はみんなを嗤わせる

寂しいと云う感情は
誰にも分からない 共有などできない
教えてよ
でも怖くて本物を隠して震えている
この部屋で