崩れだす足元が啼いて 蠢いている
寂しさが音を立てて近づいてくる
拾う神なんて何処にもいない
捨てる人は捨てるほどいるのに
選択は残酷なまま『拾われる』のを待っている
書けないのなら考えるな
程度の低い感情論など
歩き出した道は足跡だらけで
踏める場所は 既に無い
動き出す騒音が胸を劈く
苦しみを掌で隠して遠ざけていく
いらだちを馬手に罵る神を
結んだ弓手で殴り殺して
汚した両手で何処に捨てよう
できない事を言葉にせず
知識のない持論 哲学など
伸ばした腕は醜い傷跡ばかりで
おどけたまま色を消す
滲みた洋墨の匂い
それで完璧なのか
荒らされた心の奥底に
眠る狂気が疑う
兼ねる人など要らない
本物は自分だけなのだと
悲しい音の消えない傷痕だらけで
小さな痛みが 嗤う